おにぎり・おむすび・にぎりめし
- トイバナヒロコ
- 2017年1月27日
- 読了時間: 3分
仕事のときは、だいたいFMラジオを聞いています。
聞き流していることが多いんですが
「クレラップ」のCMで思わず笑ってしまいました。
子供二人が
「おにぎり」と言うか「おむすび」と言うか
で言い争いをしています。
そこへお父さんが来て「おむすび」と言います。
(一人の子が「ほらね」と自慢げ)
するとお母さんが来て「おにぎり」と言います。
(もう一人の子が「ほらね」と自慢げ)
決着がつかないでいると、おじいちゃん(?)が来て
「お、握り飯」と言います。
子供たち、大困惑(笑
…という内容なんですが
浮かんでくる光景がほのぼのしていて、可愛らしく
とても愛嬌があって面白いです。
一方で
「おにぎり」の表現もいろいろあるなぁ
ということを改めて感じました。
ちょっと調べてみたんですが、
一般社団法人日本おにぎり協会
というものがあるんですねぇ。
そのホームページから転用させていただくと
日本の大部分で「おにぎり」と呼ぶのに対して、
関東~東海にかけては「おむすび」と呼ばれています。
だそうです。
そうだったのか…と、こんな一言にも地域性があることを知りました。
「おにぎり」を辞書で調べると
三省堂国語辞典では
(もと関西方言)にぎりめし
とあります。
古代日本の中心は関西でしたし
方言学でも「言葉は京都を中心に輪ができるように広まった」という定説があります。
「おにぎり」が関西方言と言われても、そうか、と納得できそうです。
一方「おむすび」という言葉で思い出すのは、「おむすびころりん」で有名なおとぎ話です。
これは、「御伽草子」の中にある物語です。
御伽草子は鎌倉・室町・江戸という時代の流れの中で編纂されてきたので
日本おにぎり協会の説でいう「関東~東海」で使われた、という説の裏付けにはなりそうですね。
もともとは、それ以前からあった口承文芸なので、大元の表現は違ったのかもしれませんが。
たかが「おにぎり」ですが、奥が深い。
地域によって言い方・表現が変わってくるというのは往々にしてあります。
伝わる文章には
「読者に合わせて書く」というルールは欠かせません。
その点から見れば
「地域性」というのは割と重要なポイントになるのかもしれないな、と思えてきました。
今の時代は「標準語」というものが出来上がっているし
メディアも発達しているので「通じない」という状態は避けられるもんですが、
やはり
「普段から使っている言葉」を聞く(読む)と
なんだか安心感や信頼感みたいなものが湧いてきます。
相手に懐に入って信用してもらう
のに、
相手の“お国言葉”で語る
は、今でも通用する手段かもしれない…ですね。
…かくいう私は「おにぎり」がしっくりきます。