語尾表現で伝わり方も変わる?!
- トイバナヒロコ
- 2016年7月27日
- 読了時間: 3分
昨年末から今年にかけて何度か
「伝わる文章の書き方」セミナー
というのをさせていただきました。
その当時のメルマガでもご紹介しましたが
改めてブログ読者の皆さんにもお伝えしたい!
と思い、今日は
「です/ます」と「だ/である」の使い分け
についてご紹介しますね。
「です/ます」と「だ/である」
これらは
同じ文章の中で混在させない
というのが基本です。
「です/ます」と「だ/である」は文体そのものが違うので
混在した文章には読み手に強い違和感、読みづらさを感じてしまいます。
この負の感情は、最悪の場合書き手の信用も下げかねません。
だから、学校教育でも
「文章を書くときは文体を統一する」
と教えています。
有名なコピーライターの中には
意図的にこのルールを破って個性的なコピーを作る人もいます。
でも、それは高度な計算のもとに組み立てられたコピーならではのこと。
言葉にとことんこだわり、リズムや雰囲気、色、フォルムにまで
思いを巡らせて選び抜いたものなのです。
使い場所やタイミングを間違うと、思わぬ誤解を招きかねない技術ですから
初心者や慣れていない人は基本ルールだと思って守ってくださいね。
ただ、
慣れていない人でもちょっと気をつければ、効果的に文体を使いこなすこともできます。
それは、
各語尾が持っている性質を活かす
方法です。
例えば…
「です/ます」は丁寧体(敬体)と言われ、文字通り「丁寧語」。
響きも優しく、文章全体を柔らかな印象にします。
話し言葉でも普通に使われるくらい、相手を思って使うことが多いです。
一方、
「だ/である」は普通体(常体)といい、書き言葉でのみ使われる言葉です。
歯切れが良くいかにも断定的で、口調がきつく感じられ堅苦しいイメージになります。
読み手を全く気にしてない
…という感じが強いですね。
この「相手が感じる印象」を生かして使い分けるのです。
例えば…
取引先や、お客様、友人・知人など、失礼があってはならない相手の場合は
「です/ます」がオススメです。
柔らかな語尾が親近感を持たせ、相手への敬意も感じられるので距離感も縮まります。
最近は、実用書でも
「です/ます」で書いているものが増えています。
これも「初心者にわかってもらいたい」
という気持ちの表れ…と思うと、妙に筆者に親近感が湧いてきませんか?
ただし、
企画書や提案書、報告書などは「だ/である」がオススメです。
口調がきつくはなりますが、文章に強さがでますので論理性、説得力が増します。
私も、企画書は「だ/である」で書き
プレゼンテーションは「です/ます」で解説してます。
それだけで提案が全て通るわけではないですが
“言葉の演出”という意味では充分使える技になります。
そして、誰もが簡単にできる「認められた混在」技もあります。
一つは、小説などでよく出てくる
全体の表現と間に挟む会話文の表現を変える方法です。
全体を「だ/である」調でまとめるなら、会話を「です/ます」にする…
というヤツですね。
これによって、登場人物をより身近に感じやすくなったり
情景にリアリティが出たり…とメリットが生まれます。
もう一つは、引用文など
文体を変えて、描写したい世界を分ける方法です。
書かれた文章は「いかに思い通りに想像してもらうか」が大事になりますから
読み手にはっきりと世界を変えさせるの大いに役立つわけです。
今までなんとなく選んで使っていた方も
ちょっとだけ、文章の語尾を意識して書いてみてください。
ほんの小さな選択ですが、“読み手に伝わっている”感を味わっていただけるかもしれませんよ。